自給農法の基本的な考え方
1.立派な畝を最初から作らない
2.除草は作業は畝作りと施肥を兼ねる
3.割肥を積極的に利用
4.土作りは畝間で
5.積極的に混植する,多品種を作る
1.立派な畝を最初から作らない
通常の家庭菜園において,もっとも重労働なのは畝作り,または播種や移植の準備です.石灰を畑に撒いて,十分耕転し,3週間ほど置いてから,元肥を入れ,畝を作り直します.この準備は通常春の耕作前に行いますが,慌しく,一度に大面積をやろうとすると,ついつい小型の耕うん機が欲しくなります.
糸川式は畝は耕作をしながら育てていく(積み上げていくもの)としています.石灰も撒きませんし,元肥を地中深くに埋めることもしませんので,植え付けからはじまります.5mくらいの畝であれば,植え付けや種まきを思い立ってから半時間ほどで,全ての作業が終了します.全ての作業は鍬1本で手軽に出来ます.
2.除草は作業は畝作りと施肥を兼ねる
畝は最初から作らないと書きましたが,ではどうやって畝を育てるのでしょう.その秘密は除草にあります.
通常の耕作法では除草は畑作業の中でももっとも楽しくない作業の一つと思われています.畑の狭い畝間にしゃがみ,湿気と日差しの中で丁寧な除草をするのは骨の折れる仕事です.また,抜いた草は畑の端に積み上げ,うまく完熟堆肥になるように気を使うことになります.
糸川式では作物の間隔を広く取り,畝自体も大きいので,大方の除草は鍬で行います.鍬は荒起こし用の分厚いものではなく,薄いプロ農家用を用います.鍬で雑草を削るように除草し,畝間に落とします.今度はその畝間の表土を鍬で削り,落とした雑草と一緒に畝に上げていくのです.
生の雑草をそのまま畑にやって大丈夫なのでしょうか?答えは,全く問題ありません.それどころか,これこそが糸川農法の真髄なのです.「草を育てるには草をやれ」という考え方です.上に上げられた雑草は春から夏であれば,2,3週間もしないうちに分解されます.そして土はふかふかになってきます.畝間に生えた草も畝の上に積むと,畝の表土が見えないほどです.

図1.畝は積んだ草に覆われている.
3.割肥を積極的に利用
糸川式での畝の基本サイズは幅120cmです.畝間も60cmと広めにとります.元肥は畝の中央を大きく鍬で割り,ここに牛糞,鶏糞,油粕などを入れて元肥とします.あとは2列の作物の間に割肥をおきます.元肥も割肥も種まき直後,または移植直後の作物の根から離れた場所にあるので,根が肥料焼けする心配はありません.根が肥料に届く頃には,程よく肥料の分解が始まっており,初期生育にバシッと聴くわけです.

図2.畝の幅は120cmが標準.真ん中を割ってあるところ
このやり方の利点は,同じ畝にどんどん新しい作物を追加できる点です.石灰をやらない上,元肥を深いところに入れないため,畝を壊す必要はないわけです.例えば3株のブロッコリを移植したければ,空いているスペースに鍬で穴を掘り,ブロッコリを移植してから,その間に割肥を入れるだけ.つまり少量多品種の作物を耕作期間を重ねながら作るのに最も適した方法なのです.
4.土作りは畝間で
60cmという広い畝間.小さな土地を借りて家庭菜園をしている人には無駄なスペースに思えるでしょう.
ところがこの広い畝間には意味があります.糸川農法では堆肥作りはしません.そのかわりこの畝間を作物残渣やその他ものもろの有機物の分解域として有効利用するのです.有機物が分解する際には作物に有害な病原菌の増殖もありますが,畝間であれば大丈夫.そして一定の時間が経過して落ち着いてきたら,鍬で畝の上に放り上げてやるのです.有機物がたくさんあると雑草の繁茂もすごいですが,これこそ鍬で削ってやればものの数分で畝の上行きなわけです.
←トップページ